日付が変わる直前まで仕事をしていた。
時計を見ると23時半過ぎ。
身体は重く、頭も回らない。疲労感と睡眠欲が綱引きをしているような状態だった。
普通なら真っ直ぐ家へ帰って寝るべきなのだろう。
だが、そんな日に限ってサウナへ行きたくなる。
気付けば車を走らせ、いつもの花しょうぶへ向かっていた。
到着したのは日付が変わった深夜0時頃。
こんな時間なら空いているだろうと思っていたのだが、周辺道路はなぜか異様に混雑していた。
何事かと思ったが、理由はすぐに分かった。
近隣にある某自動車メーカーの工場の夜勤終わりの時間だったのだ。
人が次々と現れ、その流れに吸い込まれるように花しょうぶへ向かっていく。
なるほど、そういうことか。
そして館内へ入ると、その答え合わせは完了した。
深夜0時を回っているにもかかわらず、人、人、人。
サ室もほぼ満席。
金曜日の深夜とは思えない光景だった。
仕事を終えたばかりなのだろう。
若い作業員たちもいれば、ベテランらしきおじさんたちもいる。
皆それぞれの疲労を抱えながら、この場所へ辿り着いたのだと思う。
整いスペースも当然ながら争奪戦だった。
3セットのうち、しっかり椅子を確保できたのは2回だけ。
それでも今日は不思議と満足感があった。
疲労。
睡眠欲。
仕事のストレス。
そんなものを抱えたままサ室へ入り、強制的に心拍数を引き上げられる。
熱に追い込まれた身体を今度は水風呂で一気に冷却する。
高ぶっていた血圧も、荒れていた呼吸も、少しずつ落ち着いていく。
そして外気浴。
疲れ、眠気、雑念。
頭の中に渋滞していたものが一つずつ整理され、静かに流れていく。
まるで身体と脳の再起動ボタンを押したような感覚だった。
気付けば今日もしっかり整っていた。
ただ一つ言えることがある。
金曜日深夜の花しょうぶは侮ってはいけない。
空いているだろうという予想は、見事に打ち砕かれた。
それでも、仕事終わりの戦士たちが集うこの深夜の花しょうぶには、どこか独特の風情がある。
そんなことを思いながら、眠気に身を委ねて帰路についた。
男
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