高源ゆ
温浴施設 - 山形県 上山市 事前予約制
温浴施設 - 山形県 上山市 事前予約制
あいにくの曇り空。重く垂れ込めた灰色の雲の下、私は久々に車を走らせた。目的地は、山形蔵王の「高原ゆ」。
家を出たのは朝の7時。仙台の街を抜け、折立、川崎を過ぎる頃には、空はますます厚みを増していた。
途中、ふと目に留まったのは、小学校を模した小さなピザ屋。懐かしさを感じるその建物に惹かれ、ベーコンピザを注文した。窓の外は、もうすぐ雨が降り出しそうな気配を漂わせている。
山へと向かう道をさらに進み、蔵王エコーラインに差し掛かった。曲がりくねった道を登っていくと、信じられないことに、山頂付近の空は雲一つなく晴れ渡っていた。山は、麓の天気を気にも留めないかのように、ただ静かに佇んでいた。
目的地の高原ゆに到着し、車を降りると、敷地内から小さな破裂音が聞こえてきた。スタッフの方が爆竹を鳴らしている。熊が出たのだという。自然の中に身を置いているのだと、改めて実感させられる出来事だった。
館内に入り受付を済ませる。ここのサウナは予約制のため、いつも落ち着いて過ごすことができる。私は脱衣所で静かに服を脱ぎ、サウナ室の扉を開けた。熱い空気が肌を包み込む。いつも通り、サウナストーンにロウリュウをする。ジュッと音を立て、水が蒸気に変わり、アロマの香りがサ室に満ちていく。その香りに、ただただ心が安らいでいくのを感じた。
サウナを終え、帰り道に蔵王の御釜に立ち寄った。青く静かな湖面を眺めていると、今日一日の出来事を振り返る。曇り空から始まり、雨の気配を感じ、山頂で晴れ間を見つけ、そして静かなサウナの熱に癒される。そして、最後にこの神秘的な青。
山を下り、再び曇り空の中を走る。心の中には、静かな安らぎが残っていた。
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