島田蓬莱の湯
温浴施設 - 静岡県 島田市
温浴施設 - 静岡県 島田市
「島田蓬莱の湯」
気取らない外観と、どこか懐かしさを感じさせる佇まいは、まるで昔からそこにあったように自然だ。観光客よりも、圧倒的に地元の人が多いこの施設は、「地元の日常」に溶け込んでいる。それが妙に安心感を与えてくれる。
館内に足を踏み入れると、香ばしい木の香りと、人の気配が入り混じったような空気が漂ってくる。受付のスタッフさんも、飾り気がなくて親しみやすい。平成の始め頃にタイムスリップしたような、でも清潔感のある空間。作り込まれた演出や、現代的なスタイリッシュさはない。だが、それが逆に心をほどくのだ。
浴室に入ったら、まずは身体を清め、湯船に浸かる。じっくりと温まったあと、いよいよサウナへ。
ここのサウナは、第一印象として「しっとりしてるな」と思う。湿度が高めで、息苦しさはなく、それでいてじんわりと汗がにじむ。この湿度が、身体だけじゃなく心まで緩めてくれる。熱過ぎず、でも確実に深部まで効いてくる感じ。無言で座る常連たちの背中を見ながら、私もその列にそっと加わる。
10分ほどじっくり蒸されたら、次は水風呂だ。ここの水風呂が、とにかく良い。アルプスの伏流水をナノ化して使っているというこの水が、肌にあたった瞬間、思わず「なんだこれ」とつぶやいてしまった。角がまったくない。しっとりしているのに冷たくて、刺すような冷感はなく、むしろ優しく包まれるような感じ。
まるで、仲間由紀恵さんみたいだな、とふと思う。品があって、奥ゆかしくて、それでいて透明感のある、きれいなお姉さんみたいな水風呂。肌をなでるように流れていく水の感触に、いつまでも身を委ねていたくなる。
そして外気浴。露天の椅子に腰掛け、目を閉じて風を感じる。
遠くで聞こえる風の音、湯が流れる音、どこかで鳴く鳥の声。五感がゆっくりと研ぎ澄まされていくのがわかる。
そして、ふと「ととのう」瞬間が訪れる。思考が止まり、時間の流れもなくなる。「今ここにいる」ことだけが確かで、それ以上何もいらない。そう思えるこの感覚が、たまらなく好き。
この一連の流れを、また最初から繰り返す。温→熱→冷→風。このサイクルを回しているうちに、身体が軽くなるだけじゃなく、心の中の余分なものまで脱ぎ捨てているような感覚になる。これはただの温浴体験じゃない。これは再起動だと思う。
ロビーには年配の方が新聞を広げていたり、親子連れが笑っていたり。
飾らない日常が、ここにはそのまま息づいている。どこかの観光地では味わえない、地元の人と同じリズムで過ごす時間。それが何よりの贅沢。
島田蓬莱の湯は、静かに、しかし確かに、心と身体をほぐしてくれる。
また来よう。
島田の風と湯が、きっと優しく迎えてくれるから。
以上
男
久しぶりに来ると此処の水風呂の良さに毎回驚かされます。澄んでいて綺麗。きれいなお姉さんを彷彿させる水風呂。 そして、カナキン亭。このルーティンが幸せ過ぎます。
カナキン亭、美味しいですよね。定期的に食べたくなる味です。 蓬莱の湯から車で10分の所にあるので、セットで是非。
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