ヒャダ

2025.05.04

10回目の訪問

磐田市の南部、遠州灘の風を感じる場所に、ひっそりと佇む「しおさいの湯」。
ここはただの銭湯ではない。地域の人に愛され、日常に根ざし、静かに“ととのい”の時間を与えてくれる、心地よい癒しの空間だ。

まず驚くべきは、その入浴料。
大人1人、サウナ込みでたったの360円。
何かと値上げが止まらない令和の世。今どきこの価格で、これだけ料金で湯にサウナに浸かれる場所があるだろうか。

ラジウム泉という、体の芯からじんわりと温まるお湯。熱すぎず、ぬるすぎず、まさに絶妙な温度。日頃の疲れや肩こりが、湯の力でふわっとほぐれていくのを感じる。常連らしき地元のお年寄りたちが、穏やかにお湯と語らう姿も、この場所の穏やかさを象徴しているように思える。

湯を楽しんだ後は、やはりサウナへ。
ここにはテレビもなければ、音楽も流れていない。静寂の中、自分の鼓動と呼吸、そして汗の一粒一粒に意識を向ける。ただそれだけの時間が、贅沢だ。2段の座席に、定員は7人ほど。ギュウギュウ詰めにはならない、絶妙な距離感が保たれている。誰もが静かに、黙って熱を受け入れている。無言の連帯感。ここでは“ととのう”ことを目的とした者たちの、静かな儀式が営まれているのだ。

じっくりと汗をかいた後に飛び込むのは、キンキンではないが程よく冷たい水風呂。体感18℃弱くらい。冷たさは十分だが、心地よく受け入れられる温度設定。体にとってちょうどいい“ショック”がやってくる。火照った肌が引き締まり、内側から何かが再起動するような感覚。この瞬間が、たまらない。

そして、極めつけは露天スペース。
クラシック音楽が小さく流れ、そよぐ海風が肌を撫でる。休憩椅子に腰掛け、目を閉じると、音楽と風、そしてうっすら聴こえるような遠くの波音が、溶け合ってくる。自分が自然の一部になったような錯覚すら覚える。
何も考えず、ただ呼吸し、風に身を任せる。これぞ、“ととのう”という感覚。身体と心の緊張がほどけ、透明な自分だけがそこに残る。

しおさいの湯の魅力は、決して派手ではない。
でも、毎日でも通いたくなるような、暮らしに寄り添った温もりがある。施設の中には、採れたての新鮮な産直野菜も売られていて、まるで小さな市場のよう。地元の農家の方々が丹精込めて作ったであろう野菜を手に取ると、この地の豊かさと人の温かさが、肌で伝わってくるようだ。

「しおさい竜洋」は、観光地のような派手さはないけれど、そこに流れる時間と空気は、他では味わえないものだ。体が温まり、心がととのい、自然と繋がる。

そんな銭湯が、今も変わらず地域に根付いていることが、なにより嬉しい。忘れていた懐かしい思い出が蘇る。

きっとまた此処に来るだろう。

以上

ヒャダさんのしおさいの湯のサ活写真
ヒャダさんのしおさいの湯のサ活写真
ヒャダさんのしおさいの湯のサ活写真
ヒャダさんのしおさいの湯のサ活写真

日替わりランチ

今日はハンバーグきのこソース煮込み。手が込んだお味。付け合わせもマカロニサラダも美味しかった。

サウナ飯 supported by のんあるサ飯

  • サウナ温度 88℃
  • 水風呂温度 17℃
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