神馬の湯
温浴施設 - 三重県 桑名市
温浴施設 - 三重県 桑名市
本日は少し遠出をして三重県桑名市の神馬の湯へ。
運転はサウナ仲間の友人にお願いし、私は後部座席で窓の外を眺める。
桑名といえば、白馬伝説。白馬が願いを神に届け、幸せを運ぶという。多度大社の気配が残る街へ向かうと思うだけで胸がふっと高鳴った。ありがたい温もりだ。
海沿いの工業地帯を抜け、真っ白な大鳥居をくぐると、丘の上に黒と煉瓦の洒落た建物。佇まいが凛としていて、到着した瞬間に当たりを確信する。
館内で出迎えるのは武田双雲先生の「神馬の湯」の書。文字が蹄音を立てて駆け抜けるようで、思わず背筋が伸びた。
2階の浴室へ。木質感の内装と徹底した清潔感、そしてかすかな良い香り。ここは“整いの前段階”から上手い。
浴室の照明は柔らかく、足音まで吸い込む静けさが、休日のスイッチを切り替えてくれる。内湯と露天は大窓でつながり、視線が抜ける開放感。植栽の緑と木の天井が美しく、空間設計そのものが賞賛に値する。
身を清め、炭酸泉で泡に包まれ、露天の少し緑がかったアルカリ泉で肌がつるりとほどける。湯気が甘く、ほどけた。湯が優しいのに芯まで温めてくるのが嬉しい。
十分温まったところで灼熱サウナへ。
30人級のタワー型、中央のテレビはワイドショーで政治の話。それでも最上段は熱が直撃し、積まれたストーンが頼もしい。一時間ごとのオートロウリュは水量多めで容赦なく、蒸気が皮膚を包むたび笑ってしまうほど熱い。追い込まれているのに心はなぜか軽い。
限界で飛び出すと水風呂が2つ。
まずは水温一桁の極冷へ、息を吐きながら入水。十秒で頭が真っ白になり、余計な思考が消える。
続けて18度のバイブラへ移ると、不感のような心地よさ。泡が全身を叩き、冷たさが快感に変わる。組み合わせの完成度が高すぎて、もう一周したくなる。
仕上げの外気浴。
主張しすぎないBGMと丘の風が、胸の奥の固い結び目をほどく。ぼーっとしていると昔の記憶が静かに蘇り、懐かしさも切なさも丸ごと受け止められた。友人と目が合って、言葉もなく頷き合う。この共有が堪らない。
露天の椅子に沈むと、空が思ったより大きかった。風と湯の音だけを耳に、白馬が願いを運ぶ街で迎えた冬の午前。神馬の湯は熱も水も空間も一級で、心まで洗ってくれる名施設だった。次はどんな願いを背中に乗せて来よう。
そしてお風呂上がりは館内の食事処へ。
香ばしく焼かれたトンテキ定食を頬張ると、甘辛いタレと湯上がりの塩気が体に染み、思わず笑みが溢れた。
帰り道、後部座席で余韻に浸りながら、胸の中で「また来る」と何度も唱えた。
入館から退館までの香りや照明、静けさ、その全部が上質で、日常の疲れを優しく溶かしてくれた。
白馬に感謝。願い事ひとつ。
以上
男
情報ありがとうございます。 名古屋圏は素晴らしい施設がたくさんあって激戦区ですね。また近々伺いたいです。
これ、ご飯がいくらでも食べられてしまうくらいに美味しかったです。
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