奥屈斜路温泉ランプの宿森つべつ
ホテル・旅館 - 北海道 網走郡津別町
ホテル・旅館 - 北海道 網走郡津別町
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【森にほどかれるサウナ】
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森林セラピーという言葉がある。
津別町は北海道でも唯一の森林セラピー基地に認定されている町だ。
森の中に建つ「ランプの宿 森つべつ」も、その拠点のひとつである。
ただ、この時の自分は、その意味を知る前に、うまく言葉にならない違和感をどこかに残したままここへ来ていた。
♢
まずはサウナで身体を温める。
利用したのはカジュアルサウナ側。
室温は80℃ほど。
湿度があり、20分ごとのオートロウリュによって熱がゆっくり巡る。
息苦しさもなく、気付けば身体の芯まで温まっていた。
♢
そして、この施設の魅力の一つである水風呂へ。
津別町の湧水を使用した16〜17℃ほどの水。
まろやかで角がなく、身体に自然となじむ。
冷たさで締めるというより、火照りだけを静かに落ち着かせていくようだった。
♢
身体を冷ませた後は、外気温10℃の屋外へ出てインフィニティチェアに身を預ける。
視線の先には、雨に煙る森。
細かな雨が枝葉を濡らし、その向こうで針葉樹林の鋭さと広葉樹林の包容力が同居する、この森らしい木々が佇んでいた。
何かを語りかけてくるわけではない。
それでも、ただそこに在る姿から目が離せなかった。
♢
頭の片隅では、まだいくつかの考えが浮かんでは消えていた。
ふとよぎり、少し離れ、また戻ってくる。
ただ、ずっと引っ掛かっていた何かだったのだと思う。
♢
雨音を聞きながら森を眺めているうちに、その考えは少しずつ輪郭を失っていった。
消えたわけでも、解決したわけでもない。
けれど、握りしめ続けなくてもいいような気がした。
気付けば、次の考えを追い掛けていなかった。
いつの間にか時計を見ることもなくなっていた。
次に何をするかも考えていない。
ただ雨音を聞きながら、森を眺めていた。
♢
森もサウナも水風呂も、何かを足してくれるというより、余計なものを少しずつほどいていくようだった。
それだけで十分だったように思う。
♢
帰る頃にも雨は変わらず降っていた。
森の匂いも、湿った空気も何ひとつ変わっていない。
ただ、車に戻る途中でふと気付く。
さっきまで握っていたはずの何かが、少しだけ軽くなっていた。
♢
抱え込んでいたものを解決してくれるわけでもない。
消してくれるわけでもない。
ただ、気付けばそこへ向き続けていた意識が、少しだけほどけている…
森林セラピーとは、そういう時間なのかもしれない。
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