箱根湯本・湯の里おかだ
温浴施設 - 神奈川県 足柄下郡箱根町
温浴施設 - 神奈川県 足柄下郡箱根町
箱根湯本 湯の里おかだの暖簾をくぐり、束の間の存在論的静寂を求めた。
サウナ室の温度は、まさにアリストテレス的「中庸」。熱すぎず、冷たすぎず、肉体が変容へと向かう最適な均衡点を保つ。続く水風呂のコンディションは、この世の「イデア」そのもの。一切の雑念を洗い流す、冷徹かつ完璧な清澄さだ。
そして、良質なととのい椅子に身を委ねる。この瞬間、我々は「無」に還り、世界の構造を再認識する。
しかし、この至福の「コギト」は、時に外界のノイズによって揺さぶられる。
難点、それはこの施設の「他者」との関わりにおいて露呈する。水風呂の前に体を清めるという、極めて単純な「社会契約」が遵守されない。宿泊の外国人客、都度利用の客層、彼らの無頓着な振る舞いは、サウナ室の会話という「意味の過剰」と共に、静寂の儀式を乱す。
だが、この「不条理」の極致において、思わぬ邂逅が訪れる。整い中に急に現れたカマキリ。その「実存」は、人間の定めるルールやマナーといった矮小な論理を超越する。驚愕は、一瞬にして日常の煩わしさから私を引き剥がし、純粋な「生」のエネルギーを再認識させた。
この場での体験は、「善と悪」「美と醜」が混在する、世界の縮図なのかもしれない。
サウナ:8分 × 4
水風呂:1分 × 4
休憩:10分 × 4
合計:4セット
男
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