和合の湯
温浴施設 - 静岡県 浜松市
温浴施設 - 静岡県 浜松市
日曜日の昼下がり。少し遅めに向かったのは「和合の湯」
到着してすぐに浴室に直行したい所だが、ここには“腹を満たす儀式”がある。館内の食事処「にぼし家」で名物の煮干しラーメンを食べる事だ。
煮干しラーメンはスープを一口すすれば、旨味が体中に行き渡る。魚の香りと旨味がこれでもかと凝縮されており、胃袋が歓喜の舞を踊る。正直、この時点で満足して帰宅しても一日が成立してしまいそうだが、それでは“和合の湯”を裏切ることになる。腹を満たしたあとは、いよいよ浴室へ。
中に入れば、親子連れの賑やかな声が響いている。地域に愛される施設らしく、銭湯というより“地元のリビング”といった雰囲気だ。浴室は大きな窓から太陽の光が差し込み、明るく開放的。光に照らされた湯面がキラキラ輝き、「今日はいい日になるぞ」と根拠のない確信を与えてくれる。
まずは炭酸泉へ。ぬるめのお湯に浸かると無数の泡が肌を包み込み、まるで人間ソーダ。泡に包まれながら「今日も炭酸税が課されないのはありがたい」と意味不明な感謝まで湧いてくる。
そして本命のサウナ室。ここは“昭和ストロング”な熱さが売りだ。扉を開けた瞬間、顔を殴るような熱気が押し寄せ、遠赤ストーブが「まだまだ行けるだろ」と挑発してくる。
テレビはNHKの動物園ドキュメンタリー。画面越しのレッサーパンダを眺めながら、自分は灼熱の箱に閉じ込められている。「こっちの方がよほどサバイバルだ」と突っ込みつつ、滝のような汗を流す。
体が限界を訴え始めたら、迷わず水風呂へ。和合の湯の水風呂は、今日もキンキン。冷たいを通り越して痛い。
だがその痛みはすぐに快感へと変わり、全身の細胞が一斉にスタンディングオベーションをしているかのように蘇る。頭の中もリセットされ、余計な思考は氷水に流されていく。
外気浴は中庭のような露天スペースで。風が頬をなで、木々がざわめき、子どもの笑い声が遠くで響く。視界のすべてが「これでいいんだ」と囁いているようで、妙な安心感が広がる。
湯を堪能した後は、もう一つのお楽しみ。館内に設置されたスロットゲームに挑戦だ。ガチャガチャと回すたびに、心が躍る。
結果は、入浴券2枚、カレー券2枚、鶏の唐揚げ券1枚。上出来である。これだけ当たれば「もう今日の運は使い果たした」と逆に不安になるほどだ。
ラーメンで腹を満たし、昭和ストロングなサウナで汗をかき、水風呂で脳を冷却し、露天で風を浴び、最後はスロットで一喜一憂する。ここに来ると、まるで休日が一本の映画のように構成されてしまうのだ。
帰り道、財布にしまった唐揚げ券を見ながら「次回はビールと一緒に」と小さく決意。和合の湯は今日も、心と胃袋を満たす庶民の楽園だった。
以上
男
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