おふろの王様 港南台店
温浴施設 - 神奈川県 横浜市
温浴施設 - 神奈川県 横浜市
スチームサウナの天井に彩光窓があった。どこかで見憶えのある長方形はモノリスみたいだった。
「やあ、HAL。久しぶりだな。元気そうじゃないか。あれからパンデミックがあったり、暴君が戦争を始めたりしてさ.....2022年になっても地球は騒々しいよ」
スチームサウナから露天風呂に出て寝湯に横たわる。
「コンピューターは大きく進化
したよ。もうすぐ人間の知能を超えてしまうらしい。人類は今、その進歩に戸惑っているところだ。え? 君はとっくに人間を超えていただって? 上から目線は相変わらずだな」
水風呂で水通し
「ただ最近はね、コンピューターには理解できない或る『方法』に気づいた人間が出始めたんだ。『方法』というか.....それはある日突然、むこうからやってくるから、『啓示』のようなものなんだけどね」
「それはドラッグかだって? いやいや、危険なモノではないよ。宗教的か? 精神に作用するから似ているかもしれないね」
「それは周りにたくさんあるモノでさ...あまりにもありふれていて、なかなか目に入ってこなかったんだ。人間の認識は自分の視野に映るものに依存するから仕方がないんだけどね。でも、ある事がきっかけで目覚める人たちが結構でてきたんだよ.....」
キングスサウナ104℃、水風呂15℃
「大事なのは『温度差』だったんだ、HAL。温と冷を交互に繰り返すだけで人間は気持ち良くなれたんだ。単純すぎるだろ? でも、これだけで救われる人たちが多くいるんだよ地球上には。至福になれるんだ」
偶然さんの椅子に座る日陰
「君は数値なら『分かる』けど、それが実際にどうゆうモノなのか体感はできないし、その後の『気持ちよさ』については更に怪しいよね。いや、別に君にマウントを取っている訳じゃないよ。できれば君にも体験して欲しいとは思っている....でも....」
露天風呂の風景がグルグルと回り始めた。半開きになる目。
「おい、聞いているのかHAL。何か言ってくれよ、HAL。おい、HAL、一体どうしたんだ? HAL.....おいHAL、HA....L.....」
男
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