天然温泉 湯舞音 袖ケ浦店
温浴施設 - 千葉県 袖ケ浦市
温浴施設 - 千葉県 袖ケ浦市
【ととのい値:86】
3月16日、月曜日の夕方。
木更津から車を走らせて、いつものように袖ケ浦の湯気の中へ滑り込む。
この場所は、駅前にありながら、時間の流れをほんの少しだけ遅くする装置みたいなものだ。
一歩中に入ると、日常の速度が静かに落ちていく。
天然温泉の黒い湯は、相変わらず身体の奥まで染み込んでくる。
含よう素ナトリウム塩化物泉というらしいけれど、そんな名前を覚えなくてもいい。
ただ「よく温まる」という事実だけで十分だと思う。
湯気の向こうで、自分の輪郭が少し曖昧になる。 
3セット。
1セット目で体の余分な力が抜け、
2セット目で思考が静かに沈んでいき、
3セット目では「今日はこれでいい」と、身体が勝手に納得していた。
外気浴スペースにはデッキチェアが並び、風の通り道がちゃんと用意されている。
本来ならそこに身を預けて、空と温度の間に浮かぶはずだった。
ただ、インフィニティチェアは一台だけになっていた。
まるで人気者がひとりだけ残って、少し誇らしげにそこに座っているようだった。
ジェット風呂と電気風呂は静かに休んでいた。
でも不思議なことに、それで何かが足りないとは思わなかった。
むしろ今日は、サウナと温泉が「今日は僕たちだけでやるよ」と言っているみたいで、
それはそれで悪くないバランスだった。
この施設には、たくさんの機能や設備がある。
でもそれ以上に、「今日はどんな日か」に合わせて受け止めてくれる余白がある。
たとえ一部が休んでいても、残ったものがちゃんと役割を果たしてくれる。
夕方の光が少しずつ夜に溶けていく頃、
僕はゆっくりと身体を起こして、現実の時間へ戻る準備をした。
今日も静かに整わせてくれて、ありがとう。
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