龍宮城スパホテル三日月(スパ棟大浴場)
ホテル・旅館 - 千葉県 木更津市
ホテル・旅館 - 千葉県 木更津市
【ととのい値:86点】
7月14日、火曜日の夕方。
木更津の空は、昼の暑さを少しだけ残していた。
こういう日は、不思議と身体のほうから「今日は三日月だ」と決めてしまう。
今日は4セット。
この施設のサウナは、毎時0分のオートロウリュウがひとつのリズムになっている。時計を見るというより、蒸気に時間を教えてもらう感覚だ。サウナ室で熱を受けていると、「あと少し」が妙に心地よい。
1セット目は身体を温めるため。
2セット目で汗が言葉より雄弁になり、
3セット目では余計な考えが湯気になって天井へ昇っていく。
4セット目になる頃には、自分が人間なのか、よく蒸された肉まんなのか、少しだけ自信がなくなる。でも、そんな疑問はサウナでは重要ではない。
外気浴へ出る。
今日の主役は風だった。
真夏なのに、夕方の海風は驚くほどやさしい。
熱を奪うというより、熱を撫でていく。
東京湾を渡ってきた風は急ぐことを知らないらしく、「今日はここまででいいよ」とでも言うように、ゆっくり身体を冷ましてくれた。
三日月は、リゾート施設としての華やかさがある一方で、サウナに入ると途端に静かな世界になる。その落差が面白い。館内では家族連れが笑い、子どもたちが走り回る。でもサウナを出て外気浴の椅子に座る頃には、その賑わいさえ遠い波音の一部になる。
今日は特別な出来事は何もなかった。
それなのに、いや、何も起きなかったからこそ心地よかった。
「平凡」という言葉は退屈そうに聞こえるけれど、サウナでは最高の褒め言葉なのかもしれない。
熱があり、風があり、海がある。
それだけで十分だった。
ありがとう、三日月。
今日も変わらない心地よさで迎えてくれて、ありがとうございました。次もまた、この海風に会いに来ます。
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