松阪温泉GURUSPA
温浴施設 - 三重県 松阪市
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サウナ最高かよ 33話 「92度の告白」
朝の光を浴びながら、激しく交錯するハンドボールの試合を眺めていた。その熱狂の余韻を引きずったまま、私は車を走らせた。目的は、私独自の調査で県内最高峰と結論づけた一杯のラーメン。それを胃袋に収めた時、今日という日がすでに完成されつつあるのを感じていた。
しかし、本当の目的地は、その先にあった。
三重県ナンバーワンの呼び声高い、松阪温泉グルスパ。
特にここのサウナは、私の知る限り、他の追随を許さない。そして何より、あの「シングル」の水風呂が待っている。
駐車場に滑り込んだ瞬間、静寂が私を出迎えた。車が少ない。その事実だけで、館内の情勢は容易に推測できた。
──勝ったな。
確信を胸に一歩足を踏み入れると、まずその圧倒的な清潔感に意識を奪われた。隅々まで行き届いた掃除の気配。それはトイレの扉を開けた瞬間にも裏付けられる。ディテールにこそ、その施設の格が宿るものだ。この時点で、私の期待値は跳ね上がっていた。
脱衣所に人の気配はほとんどない。ガラガラだ。完璧な「当たり」を引いた高揚感に、胸の鼓動がわずかに速くなるのを覚えた。
だが、焦ってはいけない。私はいつもの「儀式」を始めることにした。
リファのシャワーヘッドから溢れる微細な気泡で、肌にこびりついた日常の澱を洗い流す。それから炭酸泉の湯船に身を浸し、じっくりと肌を温め、サウナ室へのプロローグとした。
重い扉を開け、一歩足を踏み入れる。
思わず声が漏れそうになった。空気が濃い。おそらく、直前にロウリュが行われたのだろう。最上段に設置された温度計は92度を指していたが、体感はそれ以上だ。絶妙にコントロールされた湿度が、じわじわと皮膚を攻めてくる。
すぐに、堰を切ったように汗が噴き出してきた。
これほど暴力的な熱さは久方ぶりだった。肉体が、想定外の刺激に驚き、歓喜しているのがわかる。
時計の針が刻む一分一秒が、妙に長く感じられた。
限界の境界線を綱渡りするような10分間。それをなんとか耐え抜き、私はサウナ室を飛び出した。頭から一気にかかり水をし、汗を流す。
そして、待望の瞬間が訪れる。
シングル──水温1桁台の水風呂へのダイブ。
「……っ」
冷気という名の衝撃が全身を貫く。しかし次の瞬間、まるで重力から解放されたかのように、私の身体は水の中で宙に浮いていた。完全に身を委ねる。
次第に足先の感覚が麻痺し、消えていく。その代償として、脳内には強烈な快感が満ちてゆく。
フラフラの足取りで、外気浴スペースのトトノイイスへとたどり着き、深く腰掛けた。
見上げると、穏やかな日差しが肌を温めてくれる。そこに、時折吹き抜ける一筋の風。それが、たまらなく心地よかった。
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