ウェルビー栄
カプセルホテル - 愛知県 名古屋市
カプセルホテル - 愛知県 名古屋市
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◻️ Nomad’s Beat #015 ◻️
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SAUNA NOMAD ヨHE feat. Will
サウナという名のオアシスを巡る遊牧民の記録。
事実にビートを乗せ、敬称を捨てて綴る。
熱気と静寂の狭間で掴んだ剥き出しのリアルを。
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早朝、俺は独りサウナに入っていた。
昨夜のカプセル、隣人の轟音の寝息を尻目に、
俺は熟睡していた。
雑音、ノイズ、全く気に留めない。
サウナでも同様に振る舞えたら、、、
その後、連れ立って入室してきた奴らの
どうでもいい会話に悩まされるのだ、、、
その数時間前、
同窓会の喧騒の中で、俺は自分の「空白」を意識していた。
7年前に胃を失い、5年前に腸を削り取られた。
俺の身体の中には、物理的な意味での「沈黙」が居座っている。
だが、その欠落を埋めるように、俺は今、生きている。
サウナ室の最上段。
熱気が、かつてメスが走った傷跡を容赦なく炙り、そして抉る。
内臓の大半を失ったこの身体は、
人よりも少しだけ熱の伝わり方が速いのかもしれない。
更に、冷えに対しては厄介なことに、人一倍敏感だ。
ふと、隣に"奴"の気配、たしかに冷気を感じた。
7年前に先へ逝った後輩。
"奴"は全部を持って逝き、俺は一部を失いここに残った。
俺は、"奴"の道標になれなかった。
そして俺たちは、どこか似たような「欠落」を抱えたまま、
この熱気の中で再会したのかもしれない。
「おい、そっちはどうだ?」
心の中で問いかける。
"奴"の返事はない。
だが、熱波が俺の空っぽになったはずの腹の奥を、
ずしりと重く満たしていくのを感じた。
臓器を失っても、魂の居座る場所までは
奪われることはなかったらしい。
俺は生きている。"奴"の分まで、なんて安っぽいことは言わない。
ただ、この不完全な肉体で、100度の熱と10度の冷水を引き受け、生の実感を刻一刻と刻みつけている。
それだけが、俺に残された悪あがき、最高の抵抗であり、
"奴"への唯一のレクイエムだ。
また、俺は"奴"のいた足跡を感じることがあるだろう。
いなくなった事実は、いた事実に比べれば
はるかにどうでもよいことだから。
"奴"との再会は、これで終わりじゃない。
この街のどこか、別の熱気の中で、
また"奴"は俺の空白に滑り込んでくるはずだ。
その時まで、この傷跡は乾いたまま置いておく。
昨夜は"奴"の月命日だった🌕
Dedicated to a late "RK"
男
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