たくひ

2026.03.26

2回目の訪問

【氷と獅子に焼かれて】

兎にも角にも、動き出してしまった。
年度末、最後の、そして最大の仕事の準備。

前日だけで、気づけば35000歩。
何かしら持って歩くのだが、身体は確実にゴリゴリと削られていく。足は棒、というより、もはや別の何か。重く、鈍く、ただ疲労だけが蓄積していく。

翌日は本番初日。朝も早い。
逃げ場を断つように、職場手配のホテルに滑り込む。

浴槽は驚くほど狭く、思わず苦笑する。
22時半チェックインでは、選択肢もない。それでも湯を張り、無理やり身体を沈める。熱さに身を委ねながら、「回復したことにする」という強引なリセット。そうでもしなければ、明日には立てない気がした。

案の定、足は悲鳴を上げている。

そして本番1日目。
この日もまた、31000歩。

ふくらはぎは張り裂けそうに膨れ上がり、攣る一歩手前で踏みとどまる。
だが、この日は少しだけ早く終わった。

迷わず向かう。救済の地、ライオンサウナへ。

遅い時間。それでも構わない。
今日は、とことん汗を流す日だ。

ライオンタイム。
容赦のない熱が降り注ぐ。まるで焼かれるような感覚の中で、滂沱の汗が噴き出す。思考が削ぎ落とされ、ただ「熱い」と「気持ちいい」だけが残る。

そこからのシングル水風呂。
痛い。だが、それがいい。
さらに16度の水風呂へと移り、冷冷浴で身体を締め直す。

これを三度。
まさに獅子とがっぷり四つ。

仕上げに、ジールとボナヒーターのツインヒーターを備えた瞑サウナへ。
先ほどまでの激しさとは対照的に、じっくりと、静かに。身体をほぐしながら、内側の疲労を溶かしていく。

ようやく呼吸が整う。

英気は養われた——はずだった。
戦う準備はできた——そう思いたかった。

だが現実は甘くない。

階段が、もうつらい。
サウナ2階から脱衣所の4階へ。そのわずかな移動で、すでに敗戦の気配が漂う。

それでも、なんとかライオンサウナを後にする。

外に出れば、新橋の夜。
どこか浮き足立った人々の楽しげな空気を横目に、こちらはただ、静かにホテルへと戻る。

戦いは、まだ終わらない。
あと二日。身体と気力をだましながら、前に進むしかないのだ。

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