黄金湯 新宿店
銭湯 - 東京都 新宿区
銭湯 - 東京都 新宿区
【サウナ遠征0日目(東京編)】
大学卒業からはや4ヶ月。卒業旅行で九州サウナ巡りをしたことも遠い記憶となり、今や満員電車に揉まれる俸給労働者。
正社員となったことによる金銭的余裕は、専ら日々の精神的苦痛と抑うつで付き纏う自己嫌悪を汗とともに流すために消費されてゆく。「サラリーマン」という文化が発生した当時の日本では、労働者はこうして娯楽を享受していたのだろうかと、過去に想いを馳せることもしばしば。
大学時代の趣味は、今も継続してるとはいえ、その目的は変容してしまっていることを自覚する。かつては飽くなき知的好奇心のためであったのに、今では自分を正常に保つための蘇生である。定期的な施術とも言えるサ活も、求める頻度は増え、今やサウナジャンキーだ。
その分、足を運んだサウナも多い。だが、「ととのう」ことは少なくなった。逼迫した心の余裕は、寛大さを忘れ、マナーを守れないサウナー達への怒りへと変換される。「サウナを信じるな」とは、蒸Zもよく言ったものだ。「ととのう」とは何か。
「黄金湯 新宿」は、そこに一つの解を齎してくれた。みさとカーブをはじめとする、コンセプチュアルな円による建築的拘り、区画分けされたことによるTHE CAVEでの90分間の逃避行、なにより感動したのは、空間的広さによる賑わいの音の反響だろうか。
あくまでもここは、銭湯である。銭湯とは、置かれるエリアのローカルコミュニティを創生させると共に、後押しをする。だがそこを見失った施設には、ブームを齧った無法者が集う。これこそ、カオスとなったサウナ市場に根強く残る消費者同士の対立だろう。
黄金湯 新宿には、もちろんルールがある。周辺エリアが住宅街なら尚更だ。浮かれず、騒がず、粛々と熱気を喰らう。だがそれだけでは「ととの」わない。建築美とそこに集う人々の縁、全てを享受したとき、はじめて「ととのう」。私はこれを、狛江湯から教わった。
なによりすごいのは、黄金湯 新宿はそこにノスタルジアを利用しない。完全なリフォームは、銭湯の在り様を刷新させ、文化を更新させた。その発展に、私は「ととのう」。
サウナ旅行0日目。私はそれを再確認したく、2度目の訪問をした。湯らっくす、らかんと学生時代に巡り、明日からは旅行をともにした友人と、中部の聖地へ向かう。
いざ大垣。飽くなき「ととのう」への探究は、今から再始動される。
男
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