ゆ〜とぴあ仙台南
温浴施設 - 宮城県 仙台市
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第41話『波欲、君に』
昨夜――睡眠という使徒は、完全に敗北した。
眠い?
違う。
睡魔より、波欲が勝った。
午前4時、亘理鳥の海到着。
波情報?
見た。
風予報?
見た。
波が悪いことも知ってた。
でもサーファーとは、
「波が悪い」と言われるほど、自分の目で確認しに行く生き物。
これは本能だ。
もはや病気だ。
車内で2時間。
海を見つめる。
「……ん?」
「……良くなってきてね?」
その瞬間――
シンジ、行きます!!
入水。
約2時間半。
波に乗るというより、
波に転がされ、波に許され、波に育てられた。
一度休憩。
砂浜へゴロン。
……
……
目覚めると約1時間経過。
人類補完計画(昼寝)完了。
「よし、2ラウンド。」
もう意味が分からない。
さらに1時間。
海に遊ばれ、本日の任務終了。
帰り道。
「今日は別の施設でも…」
そんな考えは一瞬だった。
気付けば車は、
ホーム『ゆ〜とぴあ』へ自動操縦。
ATフィールドより強い帰巣本能。
まずは身体と頭についた砂を洗浄。
そして水風呂。
今日は違う。
心臓が『もう十分です』と言うまで冷やす。
あと数分でアウフグース。
10分近く水風呂で待機。
……
ドリチン確認。
作戦続行。
サウナ室。
熱波師登場。
「テレビ消します。」
心の中で全力拍手。
『お願いします。今日は熱波だけ見せてください。』
そして始まる、
第一ラウンド。
第二ラウンド。
第三ラウンド。
第四ラウンド。
逃げない。
今日は逃げない。
完走。
誰も褒めてくれない戦いに勝利した。
そのまま水風呂。
魂まで冷却。
そして外気浴。
……
世界が揺れる。
空が歪む。
木々が踊る。
俺も揺れる。
脳内BGM『♪残酷な天使のテーゼ』
これが――
ととのいインパクト。
「笑えばいいと思うよ。」
……いや、
勝手に笑ってた。
今日も、
最高の一日だった。
男
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