サウナヨーガン福岡天神
ホテル・旅館 - 福岡県 福岡市
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夜の九時、眠りに落ちかけた天神の街を抜けて歩く。
ふだんは一日を使い果たすようにダラダラとサウナを味わえる施設に行くのが性に合う私だが、この日は思いがけず生まれた隙間時間、導かれるように、初めての扉を開いた。
館内は静かでありながら、熱気と人の息づかいが確かに脈打っていた。
最初に身を委ねたのは灼熱サウナ。確かに灼熱と銘打つだけのことはあるが、その烈しさを誇示することなく、じわじわと深く身体の芯へと熱を浸透させてゆく。鋭さではなく、穏やかな力でその熱さは人を包み込み、身を委ねさせてくれる。
続く水風呂。15度を下回るものは私のストライクゾーンからは離れているのだが、この灼熱サウナの相棒としては冷たい水風呂も受け入れられるものであった。とはいえ、二つ水風呂があるのだから温度に差をつけてもいいのでは?今サ活を書いているこの瞬間はそんな思考も浮かんでくるが、水風呂から外気浴に至るまでのその時間、そこではそんな思考も吹き飛ぶほど確かに素晴らしい体験が得られた。-外気浴については後述しよう。
次に訪れた夜響サウナ。この静謐を湛えた小さな聖堂の天井の低さは閉塞ではなく、蒸気と香りを濃密に集めるための舞台装置である。蒸気と香りを体じゅうに受け、その中で私の心は緩やかに晴れていった。
再び体を冷やし、屋上の外気浴へ。
そこでは高層ビルの屋上というだけあり風が頬を渡り、夜空はひらかれた天蓋のように頭上に広がる。
他の施設では外気浴スペースには露天風呂や、そこで談笑する客など、ととのいを阻害する雑音が存在する。しかしここには雑音も余計な飾りもなく、ただ「ととのう」という一点のためだけに用意された純粋な空間があった。孤独ではなく、解放。沈黙ではなく、外界と内面との深い交響。
それはただ最初からそこにあったのではなく、施設の方々の努力、利用者の協力があってのものであるということは忘れないでおきたい。
久々にここまでのととのいの境地に至れたことに満足感と、もっと愉しみたいと後ろ髪を引かれる気持ちを抱きつつ帰路についた。
男
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