手拭い太郎

2025.08.17

6回目の訪問

利久で牛タンを食べた後、キュアでサウナと外気浴をしながら、ドラマ「サ道」のストーリーを妄想。



最近、仕事で行き詰まっていた。思考回路が完全に詰まっていて、まるでサウナに入らない日の自分のように、頭の中が澱んでいた。そんな時、ナカタはサウナ仲間の偶然さんに相談してみた。

偶然さんはいつものようにニヤリと笑い、こう言った。「ナカタさん、それ、サウナが足りてないんですよ。この間、出張で仙台に行ったんですけどね、国分町にすごいサウナ見つけたんです。『サウナ&カプセル キュア国分町』っていうんですけど、そこのオートロウリュが、もう熱の暴力でね。一気に頭が空っぽになるんです」
偶然さんの言葉に、ナカタの心に一筋の光が差した。そうだ、この澱んだ頭を、熱波で焼き尽くせばいい。

次の休日、ナカタは、東京駅から新幹線に飛び乗り、仙台へと向かった。たかがサウナのために、と思われるかもしれない。だが、この旅の真の目的は、日々の喧騒から逃れ、自己と向き合うこと。その答えが、ここ仙台にあると信じていたのだ。

仙台駅に降り立ち、地下鉄に乗り換えて中心部へ。夜の街の熱気から逃れるように、ナカタは昼間からその扉をくぐった。目的はただ一つ、3時間の集中修行だ。

サウナ室で黙々と汗を流していると、隣に座っていた中年の男性が話しかけてきた。

「兄ちゃん、初めてかい?わざわざ東京からようこそ!…兄ちゃん、この後、何か食べる予定はあんの?仙台に来たら、牛タン食わなきゃだめだべ。『利久』に行ってみな。あれを食わなきゃ、サウナは完成しない」

十分に蒸されたら、次は水風呂へ。キンキンに冷えた水が全身の細胞を叩き起こし、ナカタは「生きている」という、最も原始的な感覚に支配される。水風呂から上がり、外気浴スペースへ。国分町の昼間の風が火照った肌を撫で、全身の感覚が研ぎ澄まされていく。

わずか3時間だったが、ナカタの魂は、すでに何光年も旅をしてきたかのように満たされていた。地元のおじさんの言葉が頭をよぎる。そうだ、サウナは完璧だった。だが、まだこの旅には続きがある。

ナカタは「利久」へと向かった。肉厚な牛タンは、炭火の香ばしさと旨味が溢れ出し、添えられた南蛮味噌のピリッとした辛さが、さらにその美味しさを引き立てる。
ああ、これが完成形だ。サウナで魂を清め、牛タンで肉体を満たす。そして南蛮味噌が、その魂と肉体を繋ぐのだ。この三つが揃って初めて、この旅は完璧なものになる。ナカタは、この聖地を後にし、ふたたび東京へと戻っていくのだった。

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