ウェルビー福岡
カプセルホテル - 福岡県 福岡市
カプセルホテル - 福岡県 福岡市
福岡に来ると、だいたい迷う。どこに泊まるか、ではなく、「今日は何をしに来たのか」を、自分に問い直してしまう。打ち合わせなのか、休息なのか、それとも逃避なのか。答えが出ないまま、気づけばウェルビー福岡のフロントに立っている。
今回はプレミアムルーム「ペフメア(Pehmea)」にした。フィンランド語で「ふわふわした、柔らかい、なだらか」という意味らしい。センサー付きの鍵でしか入れない。案内板によれば「許された者のみが入れる空間」とある。我ながら大げさだと思いながら、なぜか少し姿勢を正した。
部屋に入ると、まずリクライニングのベッドが目に入る。ふかふかだった。大型テレビ、コンセント、耳栓、館内着。必要なものが全部ある。高いビジネスホテルではない。でも確実に、今夜ここで安心して眠れる、という確信がある。この「安心して眠れる」という感覚を、私はずっと軽く見ていた気がする。
サウナは24時間いつでも入れる。フィンランドサウナ、セルフロウリュ、茶室風の個室「からふろ」、サウナ室内に水風呂まである。焚き火の映像が流れる暗い休憩スペース、コワーキングスペースも4室。要するに「やろうと思えば何でもできる」施設だ。仕事も、ととのいも、孤独も、全部。
夜中の2時に、誰にも連絡せず水風呂に入れる。朝6時に目が覚めたとき、そのまま浴室に直行できる。ロビーに戻れば朝食が無料で待っている。外出は24時間OK。つまりこの場所は、「行き先のない夜」に強い。
ふと思ったのだけど、「いつでも帰れる場所がある」という感覚は、人によって全然違う。実家がそれだという人がいる。特定のカフェだという人もいる。私にとってそれは旅先のサウナ施設だったりする。カプセルホテルを「拠点」と呼ぶのに少し照れがあるけれど、実態はそうで、ウェルビーのペフメアには「ここにいていいよ」という空気がある。
センサーキーが重要なのかもしれない。「あなたにはここに入る権限がある」という、物理的な宣言。チェックインしたとき、つまり金を払ったとき、その権利が発生する。極めてシンプルだ。でも、それが意外と人を落ち着かせる。
翌日、プレミアムルームの宿泊者は正午まで館内にいられる。朝食を食べて、もう一度サウナに入って、コワーキングスペースで少し仕事をして、また湯に浸かって、ようやくチェックアウト。
この過ごし方を「だらだらしてる」と言う人もいるだろう。私はそれを「回復」と呼んでいる。回復には時間がかかる。眠れば終わりではなく、「何もしなくていい時間」がある程度続かないと、身体は元に戻らない。朝7時に水風呂から上がって暗い休憩スペースに倒れ込んだとき、「あーよかった」と思った。それで十分だと思う。
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