PARADISE
温浴施設 - 東京都 港区
温浴施設 - 東京都 港区
都会の喧騒を抜け、落語と木の香りに包まれる至福
かつて仕事帰りに居酒屋へ立ち寄った記憶が残る街、田町。
駅前の喧騒を抜け、客引きの声を背に路地を曲がると、突如として「風呂」の暖簾が現れる。
現代的なビルが並ぶ隙間に、これほど風情ある入口が隠されているとは。
都会のエアポケットを見つけたような高揚感とともに、その扉を開けた。
一歩中へ入ると、耳に飛び込んできたのは軽妙な語り口の落語だ。
この「粋」な演出が、日常の緊張をスッと解きほぐしてくれる。
浴室内に漂うのは、鼻をくすぐる芳醇な木の香り。
清潔感と温もりが同居した香りが、無意識に深い呼吸を促す。
まずは身を清め、施設内を「探検」した。
二階を見上げると、モダンなチェアが並ぶお休み処が見える。
温浴エリアは、深め、広め、狭めの三種類。特に「深め」の浴槽は、全身がしっかりと水圧に包まれる感覚が新鮮で、なんとも心地よい。
いよいよサウナ室へ。ここでも木の香りが迎え入れてくれる。
視界に飛び込んできたのは、奥に座る三段の座面だ。
そこに三人の男たちが並んで座っている姿は、まさに『ONE PIECE』の海軍大将(黄猿、青キジ、赤犬)さながらの風格がある。二段目でも十分に熱く、じっくりと汗が噴き出す。
向かったのは水風呂だ。かつて「サウナしきじ」で故障により体験できなかった念願の「滝」がここにはあった。小ぶりだが水はキンキンに冷えており、火照った体に容赦なく突き刺さる。これが堪らなく気持ちいい。
休憩は、二階のモダンチェアへ。ゴムのような独特の質感が全身のラインに合わせてしなり、包み込んでくれる。重力から解放される感覚に、思わず深く目を閉じた。
二度目は、さらにお休み処で常連の方の真似をして寝てみたが、少し狭めで体を収めるのは大変だった。ここは素直に座って利用するのが正解なのだろう。
三度目、幸運にもセルフロウリュの機会に恵まれた。迷わず最上段へ。一気に降り注ぐ熱波。極度の集中状態で芯まで熱を通し、体感十度前後の冷たい水風呂へ。三たびあのチェアへ沈み込んだ瞬間、すべてが溶け出すような多幸感が訪れた。肌には「あまみ」が浮かび、文字通り「やられた、とろけた」。
料金形態に少しアセアセする面はあるが、ここはルーティンの回しやすさが秀逸だ。
適度な人数感と動線の良さを知ると、個室サウナも体験してみたいとは思うものの逆に時間に追われてしまうかも。
田町の路地裏で見つけた「パラダイス」は、まさに都会の楽園だった。
男
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