GREENITY IWATA
ホテル・旅館 - 静岡県 磐田市
ホテル・旅館 - 静岡県 磐田市
まだ5月だというのに、外はすでに初夏の顔をしていた。
窓越しの日差しは、もう少し遠慮を覚えてほしいほど元気で、お昼前、涼と癒しを求めてグリニティイワタへ向かった。
エントランスに入ると、いつもの落ち着いた空気。
顔馴染みのスタッフさんの存在に、肩の力が抜ける。
「ああ、帰ってきたな」と言いたくなるが、ここはホテルであって自分の家ではない。けれど、週末の心にとっては、かなり自分の家のような存在である。
本日の男湯はDaichi。
黒を基調とした直線的な空間は、相変わらず落ち着いていて大人っぽい。休日だというのに浴室は空いていて静か。にぎやかなスーパー銭湯も嫌いではないが、今日はこの静けさがありがたい。大人の隠れ家。看板は出ているのに、心の奥では「どうか世間に見つかりすぎませんように」と勝手な願いまで浮かぶ。
まずは泡立ちの良いアメニティで身を清める。
香りも泡も上品で、寝起きと暑さでだらけた体が、人間らしさを取り戻していく。これで仕事のやる気まで泡立てば最高だが、そこまでの効能は確認できていない。
そして真っ黒なモール温泉へ。
底が見えないほどの黒湯に身を沈めると、相変わらずのとろみが肌にまとわりつく。お湯というより、美容液に入浴しているような感覚。肌が「待ってました」と言っている気がする。湯上がり前からすでにツルツル。鏡を見て、少しだけ自分に甘くなれる。
しっかり温まったところでサウナ室へ。
テレビも音楽もない無音の空間。聞こえるのは自分の呼吸と、静かに熱が満ちていく気配だけ。グリニティイワタのサウナは、ただ熱いだけではなく、どこか品がある。押しつけがましくないのに、気づけばしっかり汗をかいている。途中、貸切になるタイミングもあり、贅沢すぎて逆に姿勢を正したくなった。王様気分というより、静かな書斎を一人で借りているような時間である。
水風呂はしっかり冷たい。けれど、角が立っていない。
肌に刺さる冷たさではなく、やさしく包みながら一気に熱を引いてくれる冷たさだ。暑さでぼんやりしていた頭の中まで、すっと澄んでいく。初夏の空気に負けそうだった体が、ここで見事にクールダウンされる。
最後は外気浴。寝そべり椅子に体を預け、空を見上げる。
雲の流れをただ眺めているだけで、日曜日の時間がゆっくりほどけていく。何かを頑張ったわけでもないのに、よく頑張ったなと自分に言いたくなる。
まだ5月なのに暑い。けれど、その暑さのおかげで水風呂の気持ち良さも、外気浴のありがたさも、いつも以上に深く感じられた。
グリニティイワタは今日も静かで、上品で、少し贅沢で、やっぱり居心地がいい。
初夏の入口で、肌も心もツルツルに磨かれた日曜日だった。
以上
男
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