GREENITY IWATA
ホテル・旅館 - 静岡県 磐田市
ホテル・旅館 - 静岡県 磐田市
昨日も来たばかりだった。けれど、朝起きて、曇った空を見上げた瞬間、また来てしまった。身体が自然と向かってしまう場所──磐田市のグリニティイワタ。休日のささやかな愉しみであり、心の深呼吸の場所でもある。
フロントを抜けた瞬間に感じる、ホテルらしい静けさと、ほんのりと漂うアロマの香り。スタッフの丁寧な言葉遣いには、どこか温かさがある。格式張らない、けれど品がある。そういう接客が、この施設の空気を形作っている。
今日は男湯「Sora」
昨日の「Daichi」とはまた趣が違う。
やわらかな白と曲線が特徴的な浴室は、どこかで見た雲のかたちを思い出させる。音のない静寂の中に、湯気だけがゆるやかに流れていた。
洗い場に座ってシャンプーを泡立てる。鼻に届くさわやかな香りに、少し気持ちがほどける。普段より人は少なめだった。日曜日にしては静かだと思った。近所のスーパー銭湯のような賑わいは、ここにはない。誰もが言葉少なに、時間を丁寧に使っていた。
湯船に身を沈める。黒く濁ったモール泉は、肌にとろりと絡みついて、じんわりと温めてくれる。熱すぎない温度がありがたい。目を閉じれば、呼吸と心音だけが頼りになる。何かを考えることも、忘れることも、しない。ただ湯の中にいる。そんな時間。
サウナ室は今日も無音。
誰かの息づかいだけがわずかに聞こえる。テレビも音楽もない。だからこそ、気配だけが際立つ。湿度が高く、体感の熱が深く染みてくる。静かに座り、汗を流す。言葉も思考もどこか遠くへ置いてきたまま。
たっぷりと汗をかいてから、地下水の水風呂へ。冷たすぎず、けれど確実に熱を抜いてくれるその温度。肌にすっと馴染んで、包まれるような感覚があった。刺激はない。ただ、少しずつ身体が戻っていく。
そして外気浴。
風はなく、空は白くぼやけていたけれど、露天の空気は澄んでいた。椅子に寝そべり、ぼんやりと空を見上げる。ぶ厚い雲。昨日と似ているようで、まったく違う今日の空。
目の奥が少し冷えて、呼吸が深くなった。
湯、サウナ、水風呂、外気浴。
湯に戻り、またサウナへ。何セット目かももう数えていない。誰かと一緒だったら、こんな自由なペースでは動けなかっただろう。自分のリズムを崩さず、何にも縛られず、ただ心地よい流れの中にいる。それだけで十分だった。
やがて湯をあとにして、ロビーへ戻る。
昨日と同じ道をたどって、昨日とは少し違う気持ちになっていた。何が変わったわけでもない。でも、こういう静かな変化こそ、いちばん深いのかもしれない。
グリニティイワタ。昨日も来た。そして今日も。
理由なんていらない。ただ、ここに来ると、ちゃんとした呼吸ができる気がする。それだけで十分だ。
以上
男
トントゥありがとうございます!
いえいえです(^o^)
コメントすることができます
すでに会員の方はこちら