和合の湯
温浴施設 - 静岡県 浜松市
温浴施設 - 静岡県 浜松市
日曜日の昼下がり、私は和合の湯へと足を運んだ。
浜松市和合町の住宅街にひっそりと佇むこの施設。外観はどこかレトロで、「昭和の健康ランドここにあり」と言わんばかりの風格を漂わせている。
館内へ入れば、すでに地元のお客さんたちで賑わっている。小さな子どもを連れた家族連れから、常連のご年配まで、幅広い層が一堂に会している様子は、さながら“和合町人間交差点”
あちこちから響く会話や笑い声はBGMのようで、むしろ心地よい雑踏感を演出している。これぞ地域密着型の温浴施設の醍醐味だ。
タイル張りの浴室に足を踏み入れると、大きな窓から差し込む光が湯気と重なり、まるで映画のワンシーン。けれど主演は自分ではなく、となりのおじさん。誰もが主役のようで、誰もがエキストラでもある不思議な舞台だ。
身を清めて、まずは炭酸泉にじっくりと浸かる。
シュワシュワと体にまとわりつく気泡は、まるで「お疲れさん」と肩を叩いてくる小人の大群。こうなると、日頃の疲れも「あ、じゃあ休ませてもらいます」とあっさり降参してしまう。
いざサウナ室へ。木の香りが漂う質実剛健な室内は、昭和ストロングの名に恥じぬ熱気をたたえている。温度計は90℃。
三段ベンチの上段に座れば、まさに“修行僧のポジション”。しかしテレビのチャンネルはNHKで、大相撲の中継。熱戦を見ながら汗を流していると、自分も力士の土俵入りに参加している気分になる。もし塩をまけるなら、サウナ室でぜひ撒いてみたい。
だが現実は、自分に塩を擦り込む塩サウナのほうがお似合いかもしれない。
サウナ室を出ると目の前にあるのが水風呂。
浴槽を彩る爽やかな青いタイルが、見るだけで涼しく心を落ち着けてくれる。水温は体感で15℃ほど。
掛水をして肩まで浸かれば頭の中の余計な雑念が瞬時にシャットダウンされ、脳内は一時的に“真っ白”モード。ここまで冷たいと「冷蔵庫に入ったほうがまだマシかも」と思うが、結局はこの刺激がクセになってしまう。
そして露天での外気浴。中庭のような造りの空間に腰を下ろすと、扇風機の風が体を優しく撫で、風鈴の音色が涼やかに響く。目を閉じれば、ここが住宅街の真ん中だとは信じがたい。まるで昭和の夏祭りの記憶に迷い込んだような錯覚を覚える。蚊取り線香が横にあれば、もう完璧だろう。
そうして時間は過ぎ、施設を後にする頃には、外のネオンサインに明かりが灯っていた。昼の顔から夜の顔へと移り変わる和合の湯は、どこかノスタルジックで、少しセンチメンタル。
何度来ても飽きない。むしろ、来るたびに新しい表情を見せてくれる。だからこそ、また何度でも足を運びたくなる。和合の湯は、私にとってそんな“帰ってきたくなる場所”なのだ。
以上
男
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