ヒャダ

2026.02.28

74回目の訪問

2月28日の土曜日。
今日で2月が終わると思うと、カレンダーの端がふっとめくれる音が聞こえた気がした。外は春のような暖かさで、胸の中だけ先に3月へ歩き出している。

行き先はグリニティイワタ。
週末の定番、私の生活の句読点みたいな場所だ。日帰り入浴開始の10時に合わせて入館する。

エントランスに漂うアロマを吸い込んだ瞬間、現実の輪郭がやわらぐ。その香りの先には非日常の世界。柔らかな照明、静かなBGM、やさしい空気の温度。顔馴染みのスタッフさんに会釈を返し、受付を済ませるだけで、今日の自分が整っていく。言葉は少なくても、「おかえり」と「いってらっしゃい」が同時に成立する場所だ。

本日の男湯はDaichi。
黒くて直線の大人の雰囲気が、背筋を少しだけ伸ばしてくれる。脱衣所の清潔な匂い、タオルの手触り、足裏に伝わる床のひんやり。泡立ちと香りの良いボディソープで身を清め、余計な焦りまで洗い流す。シャワーの湯はまろやかで、肩の力がほどけるのがわかる。

真っ黒なモール泉に浸かる。
美容液のように渇いた肌に染み込む源泉が、静かに血を巡らせる。湯の黒は深く、湯面に映る天井の光がゆっくり揺れる。指先を動かすだけで小さな波が生まれ、心の中のざわめきまで丸くなる。目を閉じると、埃っぽかった一週間がふわりと溶けていく。

良い具合に温まったところでサウナ室へ。

グリニティのサウナ室は今日も無音。
ストーブの熱だけが会話をしている。木の香り、程良く湿度のある熱、呼吸の音。

熱に包まれながら、この1週間をゆっくり振り返る。
言えなかった言葉、抱えたままの疲れ、笑えなかった瞬間。
汗と一緒に、ひとつずつ置いていく。最後に残るのは、明日もやっていけるという静かな確信だけだ。

水風呂は優しくて冷たい。
刺すのではなく、抱きしめるように輪郭を戻してくれる冷たさだ。肌に触れる水がやわらかく、体の中の熱だけを選んで連れ去っていく。
呼吸が整い、視界が澄む。水面の小さなさざ波まで、やけに愛おしい。

露天で外気浴。
春の心地良い暖かさが背中を受け止め、動きたくなくなる。空は高く、風はやさしい。
寝そべり椅子に身を預けると、骨がほどけ、思考が薄くなる。耳に入るのは遠い生活音と、自分の鼓動だけ。
ここでは急ぐ理由が一つも見つからない。

2月の終点で深呼吸し、黒湯と無音の熱に身を預けたら、明日が少しだけ優しく見えた。
明日から3月。けれど今日ここで満たした静けさは、きっと新しい月のはじまりを、やさしく支えてくれる。

帰り際、もう一度アロマの香りを胸にしまい、私はゆっくり日常へ戻っていく。

以上

ヒャダさんのGREENITY IWATAのサ活写真
ヒャダさんのGREENITY IWATAのサ活写真

山彦

つけ麺

喉越しの良い太麺と、濃いめのつけだれが良く合う。

サウナ飯 supported by のんあるサ飯

  • サウナ温度 80℃
  • 水風呂温度 15℃
2
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トントゥとは?

2026.02.28 19:33
1
すてきな場所でした!
2026.02.28 20:00
0
きおさんのコメントに返信

何よりです!今度はSoraの日もいらして下さい。 今日、いらっしゃった時間的にご一緒していたかもしれないですね。
ログインするといいねや
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