サ島湯気夫

2025.09.07

1回目の訪問

サウ後日記④

九月六日  晴天


昭島の地に富士見湯はひっそりと佇む。入り口に一歩足を踏み入れれば、昭和の匂いと下駄箱の絶妙な香りが鼻を交錯する。

富士見湯の存在に対して、私は好きでも嫌いでもない。ただ、そこに在るという事実だけを、體とともに静かに受け入れるなどと
浴友と言葉では軽やかに遊ぶ。しかし心の奥で、私達はその存在を愛して何度も足を運ぶのである。
支度を終えた私は、裸の自らを抱え、静かなる覚醒の空間へと身を委ねる。

無秩序な振る舞いが響く。若者たちの笑い声や足音は、静謐と覚醒の儀式を突如として乱す刃のようだ。
しかし、それも名物。
すべてがこの空間の秩序と混沌の一部であり、裸である自らの存在を鮮烈に意識させる。

富士見湯のサウナは、リニューアルされてなお、静謐と熱の鮮烈さを保っている。夜になると暗闇瞑想サウナとして約100℃の熱を放ち、
桶から柄杓で香油水を掬い、慎重にストーブへと注ぐ事も可能である。

ガンガンとストーブがなり、その隣でロウリュウの石がパチパチとハーモニーを奏でる。
例えるなら玉置浩二と井上陽水の「夏の終わりのハーモニー」が聞こえてくる様であった。


浴友が蒸気の儀を始める
柄杓で香油水を掬い、熱石に一杯、二杯、三杯…と入れる度に
見知らぬ人々の顔が徐々に歪み始める。その変化は一瞬ではなく、熱と汗、意識の微細な揺らぎが少しずつ形を作る儀式の過程である
最終的に六杯ほどの重く熱い蒸気を生み出した。
浴友のその笑顔は、微かに歪みを含み、熱気と蒸気の中で、その場にいる皆が恐ろしく映ったであろう。

長く耐え忍ぶ事は出来ず熱の波動が背中を出口に強烈に押す。

汗を四方八方から流すシャワーに體を預け清める
水風呂に歩みを進めると
富士見湯には二つの水風呂がある事に驚く。
迷わず露天水風呂を選ぶ
20°の昭島の地下水を使っていて
浸かると、時間の感覚は溶け、ずっと入っていられるような錯覚に囚われる。裸の身体は冷気に包まれる。

今回は支度場で整う。
タオルで體拭き水滴を残さずしっかり拭き上げる。
ベンチに大タオルを敷き、目を瞑る
周りは笑い声や話し声が空間に満ち、ざわざわとした賑わいは、単なる不快ではない。
どこかふるさとのような安心感を与える。

そうして相変わらず富士見湯の夜空の深い青は徐々に薄れ、昭島の街に朝日が差し込むのであろう

サ島湯気夫さんの昭島 富士見湯のサ活写真
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