君津の湯
温浴施設 - 千葉県 君津市
温浴施設 - 千葉県 君津市
【ととのい値:93】
月曜日の朝、木更津から車を走らせて、いつものように君津の湯に入る。
朝なのに、人がいる。
それは少し不思議な光景で、まるで誰かが「今日はここに集まろう」と静かに呼びかけたみたいだった。
昨日の長距離走の疲れが、まだ脚の奥に沈んでいる。
そういうとき、人は言葉ではなく水流に頼るべきだ。
ジェット風呂に身を預ける。
ここにはいくつもの種類の水流があって、それぞれが違う哲学を持っている。肩を押すもの、腰に語りかけるもの、そして何も言わずにただ流れ続けるもの。
地下から汲み上げた水は、どこか丸みがある。優しいというより、「慣れている」といった方が近い。
身体がほぐれたところで、サウナへ向かう。
ドライサウナに二度入る。
熱は相変わらず無口で、ただひたすらにこちらの余計な考えを削ぎ落としていく。
そしてフィンランドサウナ。オートロウリュが静かに作動し、湿度が空間を満たす。表示温度以上に熱く感じるのは、そのせいだろう。
水風呂は地下水。深さがあって、身体がゆっくり沈んでいく。
ランニングで酷使した脚が、ようやく「ありがとう」と言った気がした。
外気浴に出ると、日差しが思ったより強い。
朝の光はときどき容赦がない。でも、その無遠慮さがむしろ心地いい。
ここには13種類の風呂があって、どれもが日常の延長線上にある。特別すぎないことが、逆に特別なのだ。
最後は炭酸泉。
ぬるめの温度と細かい泡が、時間の輪郭を曖昧にする。
急ぐ理由なんて、どこにもなかった。
三つのサイクルを終えた頃、身体は軽く、思考は少しだけ遠くへ行っていた。
たぶん、それでいいのだと思う。
今日もまた、静かに整わせてもらった。
ありがとう。
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