ラペラスター

2026.02.26

1回目の訪問

はろー、月島。
月島、もんじゃの香りが染み付いた路地裏に、その銭湯はひっそりと、しかし確固たる意志を持って鎮座していた。
入り口では、常連さんと店主が健康談義に花を咲かせている。下町の銭湯。その響きには、どこか「一見さんお断り」という見えないバリア、あるいは「よそ者が入ってきたら、全員で一斉に振り返って無言で見つめる」といった、勝手な被害妄想的な恐怖がつきまとう。
しかし、一歩足を踏み入れてみれば、そこには清潔で、それでいて時間が発酵したような心地よい空間が広がっていた。結局のところ、僕たちは「知らない場所」というだけで、勝手にそこにトゲを生やして見てしまう。人間というのは、自分が傷つかないための心のバリアを張る天才なのだ。
服を脱ぐ。これは、社会的な記号を一枚ずつ剥がしていく作業に他ならない。高級な時計、アイロンの効いたシャツ、どこの馬の骨かを示す名刺。それらをすべてロッカーという名の金属の箱に閉じめる。するとどうだろう。そこにはただの「おじさん」や「若者」という、生物学的な分類しか残らない。
身構えていた「排他的な空気」なんて、どこにもなかった。むしろ、そこにいたのは、ただ黙々と自分の体を洗い、お湯の熱さに目を細める、純粋な生命体たちだった。
結局のところ、服を着ているから「敵」とか「味方」とかを区別したくなるのであって、裸になれば、みんなただの「お湯を愛でる哺乳類」なのだ。
「下町らしさ」という言葉を、僕はどこかで「排他性」と履き違えていたのかもしれない。でも、ここで流れる時間は、他者を排除するためのものではなく、自分と向き合うためのものだ。あるいは、他者という存在を「景色の一部」として、優しく受け入れるためのものだ。
風呂上がりに髪を乾かしながら、また入り口の方から楽しそうな話し声が聞こえてくる。
​結局、僕たちはどこへ行っても、勝手に壁を作り、勝手に怯え、勝手に安心する。でも、この月島の銭湯は教えてくれる。「大丈夫、みんな脱いだらただの人間だよ」と。
​銭湯を出ると、夜の月島の空気に、ほんのりソースの香りが混じっていた。僕は、さっきまでの身構えていた自分を、サウナ室のどこかに置き忘れてきたことに気づいた。
​明日は、今日よりも少しだけ、他人に優しくなれるかもしれない。街ですれ違うあの人も、服を脱げばきっと、僕と同じように熱いお湯に「あー」と声を漏らす仲間なのだから。

ラペラスターさんの軟水銭湯・月島温泉のサ活写真

あんこう鍋ほていさん

あんこう鍋

濃厚でぷりぷり出とにかく美味。これでもか!とあんこうを食らう幸せよ。

サウナ飯 supported by のんあるサ飯
0
20

このサ活が気に入ったらトントゥをおくってみよう

トントゥをおくる

トントゥとは?

ログインするといいねや
コメントすることができます

すでに会員の方はこちら

サウナグッズ

アプリでサウナ探しが
もっと便利に!

サウナマップ、営業中サウナの検索など、
アプリ限定の機能が盛りだくさん!