GREENITY IWATA
ホテル・旅館 - 静岡県 磐田市
ホテル・旅館 - 静岡県 磐田市
曇り空の土曜日。
太陽は雲の向こうに隠れたままで、風はほとんど吹かない。けれど私にとって、この薄曇りの空はむしろ歓迎すべきものだった。強い日差しに照らされることなく、静かに過ごす週末。それこそが、今の私にとって最上の贅沢なのだから。
向かったのは磐田市。
ジュビロ磐田のこの街に、私の“秘密の楽園”がある。ホテル・グリニティイワタ。外観はシンプルながら、ひとたび館内へ足を踏み入れれば、週末の喧騒から隔絶された緑と静けさが広がっている。
ラグジュアリーでありながら、どこか親しみのある空間。
植物がふんだんにあしらわれたロビーを抜け、日帰り入浴の受付を済ませる。グリニティイワタの浴室は男女日替わりで、この日は「Daichi」。その名の通り、地底の静寂を思わせる空間である。
重厚な色合いのタイルに囲まれた浴室は、まるで地下神殿のような趣。香りと泡立ちの良いアメニティで丁寧に身体を清める。香りが鼻をかすめた瞬間、頭の中に張りついていた週の疲れが溶け出していくのを感じた。
そして、湯船へ。「天神の湯」と名付けられた源泉掛け流しのモール泉。その湯は真っ黒でとろみがあり、まるで液体の絹のように肌を包み込んでくる。湯に浸かっているというより、大地に抱かれているような安心感がある。
温まった身体を引きずるようにして、次はサウナ室へ。
テレビも音楽もない静寂の空間。3段ベンチの最上段に腰を下ろすと、ぐっと体感温度が上がる。湿度もほどよく、じんわりと身体の芯から汗がにじんでくる。ふと、サウナストーンに水滴が落ちる音が聞こえた。ジュワッ。小さな音だが、儀式の合図のように深く染み入る。
身体中の不要なものが、汗となって出ていく。
目を閉じると、ただ自分の鼓動と呼吸だけが残った。言葉も思考もいらない、「在る」という感覚だけが、そこにはあった。
限界が来たところで、冷たい水風呂へ。
地下水で満たされた水風呂は、驚くほど柔らかく、優しい。指先から足の先まで、すべてが静かに整っていく。キンと冷えているのに、どこか温かい。そんな矛盾すらも、この場所では心地良く感じられた。
最後は、露天の寝そべり椅子へ。
曇り空を見上げながら身体を預ける。遠くで風の気配がするが、音にはならない。視界の端に緑が揺れているだけ。週末だというのに、驚くほど人が少なく、まるで自分のためだけに用意された庭のようだった。
呼吸が深くなる。目を閉じ、何も考えず、ただ「ととのい」の余韻に身を任せる。心が、水面のように静まりかえっていた。
何か特別なことをしたわけではない。
ただ、ここに来ただけ。それだけでいい。
そう思える場所こそが、グリニティイワタという地上の"楽園"なのだ。
以上
男
こんにちは、お疲れ様です 何時もお世話になってます 相変わらずの、五感を刺激する様な 素敵な文章表現ですね 素敵な施設さんで、自分も一緒に愉しんでる気になりました 中々蒸し焼きに没入(ダイブ)出来る施設さんやタイミングが少ないんですよねw まぁその分バッチリハマると極上体験になるのですが…悩ましいですねww それでは良いサ活を😸
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