愛子天空の湯 そよぎの杜
温浴施設 - 宮城県 仙台市
温浴施設 - 宮城県 仙台市
12月29日、年の瀬の昼下がり。
なんだかカレンダーの余白が急に狭くなったようで、街も人もどこか落ち着かない。私の胸の中にも小さな焦りがあって、それを持て余したまま車を走らせた。
向かった先は、愛子天空の湯・そよぎの杜。
2023年10月に開いたばかりの新しい施設で、今日は久しぶり、三度目の訪問だ。
青葉区錦ヶ丘の少し小高い丘に建つ建物は、冬の薄い光を受けて静かに白い。
扉をくぐると、明るくてきれいな館内に木の香りが満ちていて、さっきまで胸に刺さっていた年末の針が、ふっと丸くなる。
靴を預け、館内へ進むたびに気持ちが軽くなるのが分かる。
浴室は2階。
高濃度炭酸泉に身を沈めると、泡が肌を撫でて、冷えた思考がほどけていく。
無色透明な天然温泉は主張がなく、ただ静かに体の芯を温める。その穏やかさに、やっと「休んでいい」と許可が出た気がした。
サウナは2種類。
まずは梵サウナ。
明るい照明、テレビ、タワー型の段差。30分おきのオートロウリュが始まると、送風機が空気をかき回し、熱が一気に押し寄せる。忙しさで鈍っていた感覚が、汗と一緒に目を覚まし、胸の奥のざわめきが熱で溶けていく。
次に禅サウナへ。
照明を抑えた暗い室内にヒーリング音楽。ここでは呼吸だけが頼りになる。ヒノキのアロマ水をそっと注ぐと、香りが立ち上がり、森の記憶みたいに鼻の奥を通る。体感温度は熱々なのに、心は不思議と静まり、余計な言葉が消えていく。
水風呂は地下水。
地下110mから汲み上げたミネラル豊富な天然水という、大地の恵み。17℃表示でもバイブラが効いて、体感はもっと冷たい。肩まで沈めた瞬間、熱と疲れが切り替わり、頭の中が澄んでいく。
ふと、二度目に来た日のことを思い出す。
新しさに圧倒され、導線を探すだけで精一杯だった。
今日は違う。どの湯を先に選ぶか、どこで休むか、体の声を聞きながら決められる。
慣れは贅沢だ。年末で乱れていた呼吸が整い、誰かに追い立てられていた心が、ようやく自分の歩幅に戻ってくる。
外気浴に出る。
丘の上の風はまっすぐで、開放感が抜群だ。冬の空は高く、雲の向こうまで視線が抜ける。
天空にいるかのような気分で椅子に身を預ける。
風が耳元で笛のように鳴り、肌の水滴が一粒ずつ冷えていく。
そのたびに、心の角が丸くなる。
遠くに走る車の音さえ小さく、丘の下の街や遠くの山が模型みたいに見える。胸の奥で、今年が静かに畳まれていく。
吐く息は白く、軽い。指先が少し笑う。そっと。
焦り、期待、熱、静寂、冷たさが、一本の線になって体を通り抜けた。
最後に残ったのは、ただ「よし」という小さな確信。
年末まだ続く。
でも私は、ちゃんと整っている。
以上
男
刺さってくれて嬉しいです。 「慣れ」って気づかないうちに幸せを透明にしちゃうんですよね。贅沢=小さな幸せ、ほんとそれです。 ギフトントゥ…お気持ちだけで十分すぎます!
元旦の日帰り帰省…それはバタバタ確定ですね! 今回は“帰省サウナお預け”でも、平日弾丸に賭ける姿勢がもうプロサウナーすぎます! 良いととのいになりますように!
トントゥありがとうございます!
トントゥありがとうございます!
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