蒲田温泉

札幌に帰る日。

飛行機に乗る前に再び大田区にお立ち寄り、蒲田温泉にこんちには。

そもそも、前日に大田区を歩き回っていた時から、私の頭の中では、大田区が大田区である由縁はいずこにあるのかと、ぼんやり問いが回っていた。これが北海道だったら、およそ先人のアイヌの人が語っていた地名だ、とか、このあたりを開拓した人の出身地が大田だ、か、名前が大田さんだ、で概ね片がつくものだが、この界隈ならそうはいくまい。Google先生に聞くと「大森区と蒲田区が合併して大田区になった(1947年)」という。なるほど、太くない大田区はこの端緒から来ているのね。で、大森区はやっぱ大きな森があったっぽいと言うし、蒲田区はもう少し諸説あり気な。そんな愛すべき大田区の銭湯に今日もお邪魔いたします。

京急蒲田駅から10分超歩いて到着。サウナ料金300円上乗せしてお支払い、敷く用のバスタオルとサウナキーを受け取り入場。

洗い場で清めたらいざ黒湯沸かした熱湯浴槽へ。デジタル温度表示は47.8度。つかるとすぐに熱湯警察発動、ダウト。浴槽の体感湯温は表示からマイナス3-4度、44度ちょいupの温度帯。それにしても十分にお熱くて気持ちの良いお風呂です。真っ黒なお湯に茹でられて、しっかりあたたまって。

水風呂の空きを見計らって1.5人前サイズくらいの水風呂へ。20度切ったくらいの気持ちの良い控えめなかけ流し、みんなで順繰り回して使う感じ。水風呂わきの水栓も上手く使いながら、脳天も追加で冷やしたり。

十分に身体が出来上がってからサウナ室へ。サウナキーを使うのは人生でまだ片手で足りるくらいの経験しかないけど、ここのは初心者にも安心の簡単ワンタッチ。真っ青なバスタオル敷いて蒸されます。遠赤のヒーターがすごくしっかり仕事してる。石状のタイルの蓄熱とあわさって押し寄せる絶え間ない熱の波。かすかにいいにおいしてる。12分系の針がごくゆっくりに感じる。アツアツ。
水風呂の様子は直接伺えないけど、サウナの人の出入りをヒントにえいやと出て、あとは水風呂が空くまで水栓からわずかに頭水かけたりしてその時を待つ。ほかほかからいざ入水するとつい声が出る気持ちよさ。十分な熱湯と十分に熱いサウナを擁するこのセッティングにあって、この水風呂のありがたさ。ごちそうさまです。

浴室で適当に休んでもいいし、脱衣場奥の涼しいスペースでしっかり休んでもいいし。十分なリフレッシュが約束されている。

たいへんに気持ちのよいお風呂でした。ありがとうございました。

さっぱりして飛行機に乗れるのもほんとうにありがたいことです。大田区が気になり始めた2日間でした。大森区と蒲田区のカップリングの歴史に乾杯してさようなら。

蒲田に存在する名湯、黒湯。


蒲田にあるミュージックロウリュ施設に訪問前にやってきました。


こちらのメインディッシュは湯船。

刺身醤油のような真っ黒な黒湯があるとの投稿から、愛知銭湯マイスター（エセ）の血が騒ぎ、鼻息荒く施設にイン。

靴を脱ぐスペースに券売機があり、サウナ代はプラス300円。受付で、下駄箱の木札と券売機で購入したチケットを渡し、バスタオルとサウナ室の鍵を受領する。


浴室に入ると、奥に何やら真っ黒の墨汁のような怪しげな湯船。
仕切りを挟み、奥が熱湯、手前が普通。
※湯船の写真はネットから拝借しましたが、見た目この通り。

自身は黒湯が初めてであり、興奮していたが、しっかり身体を清めてから味見をしないとと冷静さを保つ。

身体を清めたところで、さてさてと黒湯の方へ向かい、通常温度の湯船の方に浸かる。黒湯の黒さは、海藻などが海底に沈殿し、長い年月をかけて分解された成分によるものらしい。
黒の濃厚さを検証するため、水平にした手のひらに指を垂直に立てながら鎮めてみる。
６センチぐらい手のひらが沈んだところでもう手は見えなくなる。

泉質はナトリウム系で古い角質を溶かすためヌルヌル。美肌になった気がする。
　
熱湯は、温度表示が見えづらかったので確かでないが48.2度が表示、とまさに熱湯の記録を休憩処で書いていると他のお客さんが番台の若いお姉さんに熱湯の温度を確認。熱い時には50度を超えるらしい。
私は足を入れて“今日は”諦める。

訪問時には、熱湯と水風呂をしっかり繰り返し楽しむ玄人も。その方の勇姿を普通の方の黒湯に浸かりながら見届ける。


さて、メインディッシュ後のデザートといきましょう。サ室は、ガス遠赤外線ストーブで温度計は９５度設定のドライサウナ。２段式でテレビが無いこじんまりとした作り。

明るい浴室とは異なり、しっかり照明も薄暗くなっており、蒸されタイムも静かに集中することができる。サウナ代の追加料金の価格設定のこともあってか非常に空いており、いつもはどうかわからないが、恐らくサウナ待ちとは無縁の予感。

青と水色のタイルの水風呂はマイルドな水温で、ゆったりと浸かることができる。ただし、２名入れてやっとぐらいの広さであることから（おそらく一人用かな）、熱湯との交代浴ニーズも含めた他のお客さんとの兼ね合いもあり長居は禁物。

ととのいスペースは、カラン前の椅子でも良いが、浴室を出て左手側にベンチが１脚あるので、そちらでくつろぐのも良いと思う。
銭湯なので、ドライヤー使用は２０円が必要。こちらを訪問される際は小銭の用意も抜かりなく。