アドベントカレンダー2025 SAUNA IKITAI ADVENT CALENDAR 2025

2025.12.12

初めてととのったあの日、私はカツカレーうどんを食べた

だいおー

サウナイキタイアドベントカレンダー 12日目の記事です。

『ご自愛サウナライフ』

サウナーの皆様ならご存じであろう、清水みさとさん原案・山本ありさん漫画のサウナエッセイマンガだ。梅雨で気分が沈みがちな6月、私は本屋で偶然その本に出会った。エッセイマンガが好きな私は即購入し、帰宅してじっくりと読み……

「サウナって面白そう」

そう思った。

当時の私はとてもネガティブになっていた。こんな鬱屈とした気持ちを吹き飛ばしたい、藁にもすがる思いもあった。

が、それ以上に私はサウナというものへの期待に胸を膨らませつつ、夫に連れられ7月の誕生日祝いデートとして水道橋のスパラクーアさんに向かったのであった。

まず最初に汗を流すための1回目の入浴の際に、1番広いサウナに入った。平日の昼だったため、『ヒルナンデス！』が流れていたのを覚えている。

サウナの流儀・作法を知った上で入った初めてのサウナで感じたことは

「熱い、暑い、しかしテレビを見ることで耐えられる」

5分経過し、汗を流してキンキンの水風呂へ。これもまた初めての感覚であり、とにかく20秒頑張ってカウントしたのを覚えている。

満を持して外気浴へ向かうと謎の感覚が体を廻った。スゥーッと血が巡っているような、ホカホカと自分自身の体温を感じた。なるほど、これが「ととのう」の第一歩か？私は本で読んだあの感覚を掴みかけた。

しかし、夫と「ヒーリングバーデ（岩盤浴）」で待ち合わせをしていたので、この1セットで一旦切り上げた。ほくほくと謎の満足感を得つつ、岩盤浴と休憩を交互に楽しみ、持参した『ご自愛サウナライフ』を読んで、私はさらにサウナへの期待を高めていた。

そして、待ちに待った2回目の入浴。これこそが本番であった。

1回目と同様に、5〜7分のサウナ、20〜30秒の水風呂、10分程度の休憩を着々と進めた。1セット、2セット、3セットと進めていくうちに先ほど体験した感覚がどんどん深いものになっていく。

手足の先がじんじんと痺れるような、身体がドクドクと波打つような、不思議な感覚ではあるがとても心地のよいものであった。次第にふわふわと全身が軽く感じられるようになり、強く感じた。

「これが、『ととのう』ということか！！！」

本で読んだり巷で聞いたりしたサウナのととのいは実在したのだ！そんな発見と体験をした私であったが、それ以上の衝撃が待ち構えていた。

『サ飯』である。

水分補給はしていたものの、私の身体はサウナを通じて空腹と発汗によりしょっぱいものをとても欲していた。食事処に移動し、メニューをめくると私の欲望をすべて叶えてくれるであろう食べ物が目に入った。

それこそがカツカレーうどんだったのである。肉・塩分・出汁、それが食べたくて仕方なかった私はすぐにそれを注文した。

しばらく待つと、目の前にカツカレーうどんが出された。あぁ、早くこのスパイシーで出汁の香る汁を啜りたい……！一口スープを飲んだ瞬間、私の脳に衝撃が走った！

「なんだこれ、美味しい、美味しすぎる……！」

夢中になって私は箸を進めた。美味しい、の一言では言い表しきれないような感覚が身体中を駆け巡る。

サクサクとした衣が包む、脂身と赤身のバランスが織りなす肉汁あふれるカツ。もちもちとしていて、スパイシーなスープをまとったうどん。アツアツでカレーと出汁のハーモニーを織りなす、とろっとしたスープ。

サウナで汗をかいてととのった身体に、この三重奏が響く。五臓六腑に染み渡る、という感覚はまさにこのことであった。

空になったどんぶりを前に、私はさらなる満足感を覚えた。これほどまで全身で美味しさを感じたことはなかったからだ。

「サウナって、すごい。こんなに多幸感に溢れるものがこの世にあったとは……」

日の長い初夏であったが、外はすっかり暗くなっていた。幸せな気分に包まれ、私たちはスパラクーアをあとにした。

そんな体験をして半年経過した現在、私は週に1度はサウナ施設を訪れるサウナーとなった。

今の私がいてこの経験を語ることができたのは、気になるサウナを検索できる『サウナイキタイ』と、サウナの良さを教えてくれた『ご自愛サウナライフ』と、共にサウナを楽しむサウナ―の皆様のおかげである。

ここにてすべてのサウナを愛する皆様に敬意を表したい。ご覧いただきありがとうございました！

【おまけ】

202512122